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Petri FTを修理する

Petri FTは1967年にペトリカメラが販売したTTL絞込測光の一眼レフです。バルブと1~1/1000秒対応の横走り布幕フォーカルプレンシャッターを搭載し、レンズマウントは専用のペトリマウントです。

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この個体はC.C Auto 55mm 1:1.8 (4群6枚)が付属しています。
外装の状態の良い品物ですが不調があります。症状としてはファインダーの曇り、プリズム汚れ(おそらく部分腐食/剥離)、スローシャッターのスタック、露出計不動、裏蓋部モルトプレーン劣化、レンズ前群の汚れ、絞り不動。こんな感じです。
それでもシャッターは高速側がしっかり動いていますし、巻き上げも調子よく作動し、レンズのヘリコイドも軽快で、基本的な動作には問題がありません。なんとかなりそうです。

まずはレンズからいきましょう。

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銘板のついたリングを外すと前群がユニットごと外せる状態になります。さらにユニットのリングを外すと最前レンズが外せます。このレンズに油が流れ込んでいて縁が汚れていました。ネジ部分をベンジンでふき取り、レンズを拭いたらレンズ前群の汚れは解決しました。

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この前群ユニットの直下に絞りがあります。蓋を外して6枚の絞り板を取り出します。

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蓋、絞り板はベンジンにつけて超音波洗浄し、誘導側もベンジンをつけた布でよく拭きます。

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元のとおりに並べて、後は組み戻すだけです。

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レンズすっきり、絞りもスムースに動くようになりました。

さていよいよ本体に掛かります。

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まずは底面を確認します。これがペトリ独自のシャフトエレメントです。
動作はスムースですが油分が全く無いようです。カム等にグリスを塗っておきました。

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ここからが本命です。トップカバーを外します。

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この細いエナメル線は測光素子へ行っているようです。

A.jpg

接眼レンズの左右にCdSが付いていました。ここへ繋がっています。

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プリズムを取り出します。なんと下枠とは接着剤で固定されていました。プリズムの部分染みはこの接着剤による影響でしょう。これを無理に剥がすと余計に悪化しますから素直に諦めます。ファインダーに目を近づけると視野に入らないので気にはなりませんので。
ちなみにこの下側に同様に枠に接着された薄いコンデンサーレンズがネジ2本で取り付けられています。曇っていたので外して拭きました。

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ファインダースクリーンは綺麗です。コンデンサーレンズの座布団に使われている硬くなったモルトプレーンの屑も入り込んでいませんでした。そのままプリズムを戻し接眼レンズを拭いて、ファインダー周りは終了です。

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右側にある駒カウンターとそこに掛かるレバーを取り外します。

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シャッターダイアルと巻き上げ軸の間にスローガバナーユニットがあります。

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油が固着したりひどく汚れている感じではありませんのでバラさずにベンジンに漬けながら時計用ハケで徹底的に擦った後、新しいベンジンで超音波洗浄しました。全てのホゾの上下に注油して終了。

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絞込測光レバーから電池接点へ伸びるリード線が腐食していました。腐食の進んでいない途中から新しい線(黄色)に交換しました。接続点には熱収縮チューブを被せました。

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全て組み戻し、最後に裏蓋のモルトプレーンを張替えして完成です。

H.jpg

ファインダーがスッキリしましたし、シャッターは低速もキッチリ出ます、絞りの動作も問題ありません。
KantoのMR9用変換アダプターを使ってもライトボックスで計ると一般的なカメラに比べ測光値が2段ほど高いのが気になります。これは試写後に調整する事にしましょう。
最後にセルフタイマーがシャッターと連動しない事に気づきました。まぁこれはいいか(苦笑)。

(注・このカメラを修理してくれる業者は今もあるようです。餅は餅屋です。むやみにカメラを自分で分解するのはやめましょう。治せるとは限りませんよ。)
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