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instax mini 10を修理する

最近富士フイルムのチェキの売り上げが良いのだそうです。韓国や中国で伸びていて、その影響で新機種が出たり新しい絵柄のフィルムが次々に発売されたりという状況です。ここ数年間の斜陽が嘘のようです。チェキが最初に発売されたのはもう15年以上前です。

instax mini 10は1998年発売。Fujinon 60mm 1:12.3 (3群3枚)のプラレンズを搭載しており、1枚目前面にのみコーティングが施されています。この後instax mini 20、instax mini 30には同様の3群3枚が採用されますが、それ以外の機種は最新のinstax mini 90を含めて2群2枚のノンコートプラレンズです。

A.jpg

発売当初は品切れが続き、これを購入したのは発売翌年でようやく品物が潤沢に出始めた頃でした。偶然立ち寄った中古カメラ店で箱付品が1個だけあり、若干安い事もあって購入しました。珍しく流行に乗ってみた訳です。

この個体はいわゆる初期型で、後期型はレンズの前面部分が楕円形のデザインになり、別売りのクローズアップレンズが取り付け可能になりました。

B.jpg

これまで何の問題もなく使えていたのですが、2年ほど前に突然不具合が発生しました。写真の右中央部に黒い台形の影が時折出るのです。(上の写真は横向きなので真上に影が確認できます。)

C.jpg

当初はフィルムに問題があるのかと思いましたが、そうではなくカメラに原因がありました。レンズを撮影状態にしてフィルム室から覗くと左側にあるフレキシブルケーブルに貼ってある黒テープの接着剤が劣化し、周囲がベト付いて巻き込まれ、剥がれた部分が光路にまで持ち上がっていたのです。

そこで浮き上がった黒テープを両面テープで固定して使っていました。しかし最近になってまた同じような症状を再発しました。さすがにこのような場当たり的対応にも限界があるようです。今回はこれをきちんと解決します。


まずは本体前面カバーを外すためにボディの周囲の5本のネジを取り外します。

D.jpg

背面上部の2本のネジを外し、後面カバーを少し開くとトップカバーが外れます。さらにその下に前面カバーを留めているネジがあります。

E.jpg

こんな感じで前面カバーだけがすっぽり外せます。後面カバーを外すとボタンやらスイッチやらがバレてきて面倒です。

F.jpg

レンズの根元にネジ3本で留まっている駆動カバーがあります。これを外します。

G.jpg

右下のバネの掛かった検出スイッチを外し、駆動ギアを持ち上げます。ネジ3本を外すとレンズ全体が外れます。

H.jpg

問題のフレキシブルケーブルを横から眺めた様子。完全に黒テープが剥がれてしまって浮き上がり、本来真っ直ぐであるべきケーブルがレンズ格納時に巻き込まれて波をうってしまっています。

このままでは作業がしにくいので、もう少し分解しましょう。
(しかし、この先は分解しない方が良いかもしれません。狭くて不便ですが、フレキを切らないように注意してどうにか作業する事をお勧めします。)

I.jpg

まず鏡筒前面カバーを外します。

J.jpg

こんな爪が12時・4時・8時の3箇所あります。カッターの刃などを入れて上手に外す必要があります。傷を付けないよう、壊さないよう上手にやりましょう。かなり気を遣います。

K.jpg

私は1箇所だけこんな風に開いてしまいました。この程度ならなんとかなりますが、完全にちぎってしまうとその部分は止まらなくなります。3箇所全てちぎってしまったら完全にアウトです。接着するしかないでしょう。

L.jpg

外すとネジが見えますので、そのうちのレンズユニットを固定している3本を外します。そうすると鏡筒と分離できます。

M.jpg

これで作業がしやすくなりました。溶けている黒テープの接着剤を全て剥がし、セメダインXを使って貼り直し、ガッファテープで端がまくれない様に固定しました。(レンズ駆動時に鏡筒内壁にスライドしますので裏面にまで巻き込むのは極力避けたほうがよいでしょう。よく考えて固定して下さい。)

N.jpg

さらに裏面にステンレスの薄板を接着して真っ直ぐに伸びた状態を維持させる事にしました。レンズ格納時に巻き込まれないようにします。

これで対処が終わりました。後は全て組み戻します。

O.jpg

この部分の溶けた接着剤も取り除いています。これで引っ掛る事はありません。

P.jpg

真っ直ぐに降りて下部のケーブルガイドに入っています。

Q.jpg

レンズ格納時もフレキシブルケーブルが飛び出したりしません。

R.jpg

これで今後も安心して使えるようになりました。富士がinstax miniフィルムを製造終了するまで働いてもらいましょう。頑張れ初代チェキ!

(注・このカメラを修理してくれる業者はないでしょう。メーカはすでに修理対応を終えています。ご自身で掛かる場合は全て自己責任で。)
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