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カラーネガフィルムの仕組み(1)

カラーネガフィルムについて簡単にその仕組みを説明します。

現代のカラーネガフィルムは沢山のテクノロジーが注ぎ込まれていて、とても語りつくせるものではありません。ここでは基本的な構造についてのみ扱い、全ての話を極力単純化しています。とりわけ図表はかなりいいかげんです。正確で詳細な内容を知るには写真化学の本を紐解いて下さい。


カラーネガフィルムはおおむね次のような構造をしています。

A.jpg

一見何の変哲も無いフィルムにみえますが実は多層構造になっており、それぞれ機能を持たせたものがベースフィルムに順に塗布されています。
最上層から順にみていきます。


保護層
フィルムが摩擦感光したり、静電気の発生を防ぐために施されています。感光層を保護するためのものです。
一般に無色透明ですが紫外線非透過の機能を持たものもあります。


青感層
B(青)に感色性のある乳剤で、このような感度特性を持っています。

150516-A.jpg

使われているハロゲン化銀(いわゆるレギュラー特性)の感度は、ほぼB(青)領域(400~500nm)に収まっています。
乳剤には無色のY(黄)の発色カプラーが含まれていて現像処理によりY(黄)ネガ像を形成します。


黄フィルター層
この層より下へB(青)領域(400~500nm)の光を透過させないために用意されたフィルターです。
コロイド銀によるY(黄)フィルターで、現像処理により無色になります。


緑感層
G(緑)に感色性のある乳剤で、このような感度特性を持っています。

150516-B.jpg

分光増感されたハロゲン化銀(いわゆるオルソクロマチック特性)が使われており、G(緑)領域(500~600nm)だけでなく、B(青)領域(400~500nm)にも感度があります。
このため「緑感層」の上には必ず黄フィルターがあり、B(青)の波長の光をカットしてG(緑)領域だけが使われます。
乳剤にはY(黄)に着色されたM(マゼンダ)の発色カプラーが含まれていて、現像処理によりY(黄)ポジ像とM(マゼンダ)ネガ像を形成します。


中間層
緑感層と赤感層の干渉を防ぐために設けられた層です。無色です。


赤感層
R(赤)に感色性のある乳剤で、このような感度特性を持っています。

150516-C.jpg

分光増感されたハロゲン化銀が使われており、R(赤)領域(600~700nm)だけでなく、B(青)領域(400~500nm)にも感度があります。
ここでも「緑感層」の上の黄フィルターの効果で、B(青)の波長の光はカットされR(赤)領域だけが使われます。
乳剤にはR(赤)に着色されたC(シアン)の発色カプラーが含まれていて、現像処理によりR(赤)ポジ像とC(シアン)ネガ像を形成します。


ハレーション防止層
フィルムベースへ拡散・反射するのを防ぐために用意されたフィルターです。
黒色~灰色のコロイド銀で、現像処理により無色になります。
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自分の撮った写真がフィルムに残っているのって何かいいよね

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