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APSカートリッジのDXコードについて(1)

以前に135フィルムのDXコードシステムについての解説を書きましたが、今回はAPSカートリッジについてです。

135フィルムの場合、DXコードシステムは次の3つの認識システムを持っていました。

カートリッジ感度設定端子 (Camera Auto Sensing (CAS))
カートリッジバーコード (Bar Code Number)
潜像バイナリーコード (Latent Image Binary Code)

「カートリッジ感度設定端子」は、パトローネによってカメラに対して "感度"、"撮影可能枚数"、"ラチチュード" を伝えます。APSカートリッジでは先に説明した「データディスク」がこの役割を担っています。

「カートリッジバーコード」 は、パトローネによってフォトフィニッシングのフィルム現像装置に "フィルムの種類"、"長さ" を伝えます。誤現像を防止したり、装置の制御に使われます(実際はミニラボを含めてこの機能が使われている例があまりないようですが)。これが今回の解説事項です。

「潜像バイナリーコード」は、フィルムによってフォトフィニッシングのプリント装置に "フィルムの種類"、"コマ番号"を伝えます。次回の解説事項です。



以後の内容はフォトフィニッシング作業と関係が深いので、最初に135フィルムとの違いを触れておきます。

「カラーネガの同時プリント」の場合、
135フィルムではフィルム現像の際にパトローネからフィルムを取り外します。パトローネは破棄されフィルムのみで現像し、プリント作業が行われ、フィルムは所定のコマ数でカットされてネガ袋に入れられ、プリントと共に返却されます。
APSではカートリッジから一旦フィルムを外し(デタッチ)、フィルムのみで現像し、再びカートリッジにフィルムが戻され(リアタッチ), プリント作業が行われます(プリント作業の後にリアタッチする設備もあります)。カートリッジとプリントが返却されます。



ここからが本題です。

APSカートリッジは135フィルムで使われたDXコードに類似した「DXIX」が使われています。
これに関する詳しい資料が手元にないので手探りで解析しています。現物との対比で解説します。

A.jpg

富士フイルムの「写ルンです スーパースリムスター 25枚撮り」に入っていたカートリッジです。「nexia H400」と書かれており、感度は ISO 400 です。

B.jpg

カートリッジの一方の側にカートリッジ番号が書かれており、その下にラボの機械(主にリアタッチャー)が識別するバーコードがあります。
カートリッジ番号は「053716-943915189」とあります。

まずこのカートリッジ番号についてです。
このカートリッジ番号に英字を割り振って「ABCDEF-GHIJKLMNO」とすると、

ABCDメーカ毎に割り当てられた番号(NAPM付与コード)
フィルムの長さ
メーカが設定する種別番号
GHIJKLMNOカートリッジの固有番号

となっています。

「メーカ毎に割り当てられた番号」
これは135フィルムのそれと共通です。解説はそちらを読んでください。
2008年に I3A が発行した資料からAPSに関連する部分を抜粋した一覧です。製品クラス番号については後述します。

製品クラス番号NAPM付与コードメーカ
330528~0543Fuji
370592~0607Fuji
380608~0623Fuji
440704~0729Agfa
450720~0735Agfa
721152~1167Konica
861376~1391Ferrania
911456~1471Kodak
941504~1519Kodak

このカートリッジは「0537」ですから、Fuji に割り当てられた番号です。


「フィルムの長さ」
次のように決められています。

40
25
15

このカートリッジは「1」ですから、25枚撮りです。


「メーカが設定する種別番号」
各メーカが0~9を自由に割り振っています。パッケージ変更や OEM 供給先で使い分けていたり使われ方は様々のようです。

このカートリッジは「6」となっています。同じ時期の nexia H400のフィルム単品は「0」ですから、「写ルンです内臓品」の意味で変えてあるのかもしれません。実際に写ルンです内臓品はパーフォレーションを変えてあったり潜像を専用にしたあったりと違いが多いですから。


「カートリッジの固有番号」
これも各メーカが自由に割り当てた番号ですが、同じ番号が重複する事が無いように管理されていると思われます。製造ロットを明示的に表わしているかは全く不明です。

このカートリッジは「943915189」です。 カートリッジのもう一方の側に、

C.jpg

IDナンバーが大きな文字で「915-189」とあります。
これはこの固有番号の末尾6桁になっています。

カートリッジとリアタッチする際に目視で番号を確認しやすいように付けられています。6桁あれば100万分の1の確立でしか同じ番号が存在しませんから、誤ってリアタッチする事故が防げるという理屈です。
またこのIDナンバーは受付時の控えにも利用されています。135フィルムの場合はフィルムに通し番号の付いたシールを貼って管理しますが、APSの場合はそれが不要というわけです。
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