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APSカートリッジのDXコードについて(2)

135フィルムはカメラを被写体に向けた時、カメラを構えた左手側にパトローネを入れると撮影像がフィルムの潜像に対して正方向になります。一方APSフィルムの場合は右手側にカートリッジを入れると撮影像が潜像に対して正方向になります。丁度天地が逆の関係になっています。

フォトフィニッシングにおいてはフィルムは先頭から認識されます。そこでAPSフィルムも135フィルムと同様に先端を左に置くとフィルム下部に潜像バイナリが並ぶようになっています。

A.jpg

これはAPSフィルムのリーダー部分から1コマ目の潜像の状態です。
前回の例に挙げた、富士フイルムの「写ルンです スーパースリムスター 25枚撮り」に入っていたカートリッジのフィルムです。

リーダーの部分に "Leader-Data" と "Frame#0-Data" があり、1コマ目に "Frame#1-Data" があります。省略していますが、この後に2コマ目の "Frame#2-Data" と順に続き、N(最終)コマの後に "Frame#N+1-Data" があります。これは "Frame#0-Data"と同じデータになっています。


最初に "Leader-Data" です。

これは "Manufacturer's Leader Data" と呼ばれ、メーカが独自に入れているデータです。
残念ながらどのような目的で使われているのか不明です。
このエリアに全くコードが入っていないフィルムも多数あり、その意味でも全く不明です。

B.jpg

黒と白の部分のパターンは常に一定で、色付けした部分が情報内容によって変化する部分です。デジタル信号ですので、白の部分を0、黒の部分を1に変換して2進数として読みます。

■■■■は「メーカ設定番号」 (2進数27桁)
■■■■は「不明」 (2進数3桁)
■■■■はパリティ
を表しています。

このフィルムの場合、

C.jpg

メーカ設定番号は「000000000000000000010101110」です。10進数では「174」です。上辺の潜像の数字「0000000174」と一致しています。

不明の部分は「001」です。これが何を表わしているかは残念ながら不明です。(「メーカ設定番号」のチェックデジットのように思えますが)


次に、"Frame#0-Data" です。"Frame#N+1-Data" も共通です。

これはフィルム全体を表わすデータです。

D.jpg

■■■■は「カートリッジの固有番号」 (2進数30桁)
■■■■は「フィルムの長さ」 (2進数3桁)
■■■■は「不明」 (2進数3桁)
■■■■はパリティ
を表しています。

このフィルムの場合、

E.jpg

カートリッジの固有番号は「111000010000110000000010110101」になります。10進数では「943915189」です。これはカートリッジに印刷されている「カートリッジの固有番号」に一致しています。上辺の潜像の数字は下6桁のIDナンバーを大きく書いてありますが、これとも一致しています。

フィルムの長さは「010」です。10進数では「2」。この値から1を引いた数がカートリッジに印刷されている「フィルムの長さ」=「1」と一致するようになっています。

不明の部分は「000」です。この値は「カートリッジの固有番号」のチェックデジットのように思われますが、計算式がわかっていません。


最後は "Frame#1-Data" です。"Frame#N-Data" まで共通です。

これは1コマずつの情報です。ですが135フィルムに倣ってかフィルム種別の情報を含んでいます。

F.jpg

バイナリコードの前に黄色で示したドットがありますが、これは「プリントタイプ」を表わしています。
磁気IXを持たないカメラで記録されます。

(なし)
■  
■ ■

■■■■は「製品クラス番号」 (2進数7桁)
■■■■は「製品指定番号」 (2進数4桁)
■■■■は「フレーム番号」 (2進数6桁)
■■■■は「挿入方向」 (2進数2桁)
■■■■はパリティ
を表しています。

このフィルムの場合、

G.jpg

プリントタイプはドット2つなので「C」です。この写ルンですは「C」固定なので事前に焼き込まれています。

製品クラス番号は「0100001」です。10進数だと「33」になります。

製品指定番号は「1001」です。10進数だと「9」になります。

フレーム番号は「000001」です。10進数だと「1」。1コマ目ですから合っています。

挿入方向は「01」です。これはレンズ付きフィルムの内臓フィルム場合だけ「01」になっており、通常のフィルムは「00」のようです。通常のフィルムの場合は磁気IXに「挿入方向」が記録されます。(「挿入方向」に関しては様々な資料からの推定で、他の意味なのかもしれません。)

製品クラス番号33は前回の表を参照すると Fuji に割り当てられた番号です。NAPM付与コードは0528から始まります。0528に製品指定番号の9を足すと「0537」になります。これはカートリッジ番号の値と一致します。
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