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DXコードシステムの話(3)

数年前に135フィルムのDXコードについて書きましたが、この時カートリッジ感度設定端子 (Camera Auto Sensing (CAS)) については触れませんでした。

これについては既に方々で書かれている内容なので省略したのですが、改めてそれらを確認するとどうにも要領を得ない記述ばかり。あまりにも気持ち悪いので、私なりに書いておこうという次第です。


パトローネを写真のように寝かせると6コマ2列の千鳥模様のような端子が確認できます。

0A.jpg

金属製のパトローネの一部分を印刷塗装しない事によって電気的な導通を確保し、その導通の有無でカメラがフィルムの情報を得られる仕組みになっています。

銀色に反射している部分はパトローネの素材が剥き出しになっており互いが導通し、黒い部分は印刷塗料によって絶縁されています。色に機能上の意味はありません。

このコードは次のような構造になっています。

0B.jpg

右端はコモンとなっていてカメラが個々の端子の状態を確認するための基準端子です。電源が繋がれたり露出を表わす電流が流れている場合もあるように思います。

図のように3つのグループに分かれており、下段の赤で囲まれた部分は「フィルム感度」を、 上段右の緑で囲まれた部分は「撮影枚数」を、上段左の青で囲まれた部分は「ラチチュード」表わしています。

それでは個々の内容をみてみます。


赤で囲まれた部分は「フィルム感度」を表わしています。右3つが1段おきの、左2つが1/3段おきの感度をそれぞれ2進数で表わします。
カメラはこの端子を検出する事によって ISO 25 から 5000 までを1/3段ごとに知る事ができます。

導通部を「1」、絶縁部を「0」とすると次のようになります。(以下同様です)

ISOS2S1S0s1s0パターン
5000S01.jpg
4000S02.jpg
3200S03.jpg
2500S04.jpg
2000S05.jpg
1600S06.jpg
1250S07.jpg
1000S08.jpg
800S09.jpg
640S10.jpg
500S11.jpg
400S12.jpg
320S13.jpg
250S14.jpg
200S15.jpg
160S16.jpg
125S17.jpg
100S18.jpg
80S19.jpg
64S20.jpg
50S21.jpg
40S22.jpg
32S23.jpg
25S24.jpg

表をみると単純な5桁の2進数になっていない事がわかります。これは意図的に構成したように思います。

S2~S0端子で1段おきの感度が得られますので、多くのカメラがこれを利用でき、s1,s0端子まで確認することで1/3段おきの感度も得られます。各々のカメラのグレードに対応できるように考慮したのではないでしょうか。

DXコードが発表された1983年当時は多くのカメラがまだアナログICなどで構成されており、次のような回路を用意すれば1段おきの感度を容易にアナログ的に得られます。これを念頭に入れた構成とも考えられます。

0C.jpg


緑で囲まれた部分は「撮影枚数」を表わしています。2進数で順序良く並んでいます。

36枚を超えた枚数を格納した薄手のフィルムにDXコードを割り当てた品物は実際には市場に出ていないと思います。圧板など他の構成要素も絡むため、これに対応したカメラも存在してないと思われます。

撮影枚数E2E1E0パターン
指定なしE01.jpg
12E02.jpg
20E03.jpg
24E04.jpg
36E05.jpg
48E06.jpg
60E07.jpg
72E08.jpg


青で囲まれた部分は「ラチチュード」を表わしています。

ラチチュードL1L0パターン
+0.5 ~ -0.5L01.jpg
+1.0 ~ -1.0L02.jpg
+2.0 ~ -1.0L03.jpg
+3.0 ~ -1.0L04.jpg


パターンの順序に意味があるとわかると気持ち良いですよね。(私だけ?)
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