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カラー現像液セット(Rollei DIGIBASE C41)を使う

かわうそ商店さんのご好意でRollei/Compard Digibase C41 Processing Kitを試す機会を得ましたので、レポートしたいと思います。

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このセットはC-41処理のカラーネガフィルムを現像するキットです。

日本国内ではかつて富士やLPL、エヌ・エヌ・シーなどからこういったキットが販売されていましたが、2000年代以後販売終了が相次ぎ、唯一残っていたナニワ カラーキットNも昨年販売終了してしまいました。

こういったキットに大きな需要があるとは思いませんが、フィルムを自分で現像するという行為はデジタル写真では決して得られない感動があります。もちろんモノクロ現像もそれを体現するに充分ではありますが、カラー写真が自分の現像したフィルムから得られるという体験も奪われては欲しくないものです。

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私自身はラボ仕様の現像液を購入して利用していますが、業務用は量が多くて万人にお勧めできるようなものではありません。単薬からの処方にしても難しい点が多いでしょう。それだけにこういったキットが国内から消えてしまったのは大変残念な事だと思っています。

カラーフィルムの現像というとモノクロフィルムのそれよりも大変難しいという印象があるかと思いますが、使う道具はほとんど変わりません。あえて言えば安定した温度管理のために、40℃まで計れて正確でかつ0.5℃が確認できる温度計を準備するぐらいです。

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今回使ったキットは500ml用です。LPLの135が2本入るステンレスタンクは液量が450mlですのでピッタリです。発色現像(3:15)→漂白(3:30)→定着(4:30)→安定(1:00)のC-41現像で標準的な4浴処理用です。

発色現像液用にパートA(50ml)、パートB(50ml)、パートC(50ml)、スタータ(10ml)がセットされており、水345mlとパートA~C全液とスタータ5mlを順に加えて使用液500mlが、 漂白液は水360mlと漂白濃縮液(140ml)で使用液500mlが、
定着液は水400mlと定着濃縮液(100ml)で使用液500mlが、
安定液は水450mlと安定濃縮液(50ml)で使用液500mlが作成できます。

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少量分だけを作成することもできるように、発色現像各液用のシリンジも入っています。

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現在販売されているパッケージでは、発色現像パートC、漂白、定着の容器は酸化防止用のアルミキャッピングで封印されています。以前はこのキャッピングがありませんでしたから、ある程度保存ができるよう改良されたようです。

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私の使用風景です。発泡スチロール容器に38℃に調整した湯を張り、左上から順に発色現像液、漂白液、定着液を並べています。やや手狭ですが、容器が大きくなると温度管理がその分難しくなります。写真にはありませんが、この他に安定液があります。

カラー現像ではコンタミ(混入)は厳禁です。発色現像液が漂白液、漂白液が定着液に混入するのは少量である限り何ら問題ありませんが、逆方向はダメです。特に発色現像液へのコンタミはカラーバランスを破綻させます。漂白、定着液を扱う時は発色現像液に誤って飛沫を飛ばさないよう細心の注意が必要です。私は発色現像液だけ背の高いPYREXに入れて、投入時以外は開口部を紙で塞いでいます。

また発色現像浴は温度に敏感です。リールの入ったタンクは充分に温めて可能な限り液温との温度差がなくなるようにします。説明書では前浴をすることを勧めています。発色現像液は温度計で38℃であることをタンク投入直前まで確認しましょう。現像時間は3分15秒と大変短いので液の投入と排出は手早く行う必要があります。

残念なことに液量が250ml/本のタンクの多くはタンク内の液温が確認できません。しかし攪拌や室温の影響でタンク内の液温は1~2℃下がりますので、その補償のためにも湯煎温度を39℃ぐらいに上げておくと結果が良いように思います。具体的には排出時に液温を計り、現像の平均温度が38℃になるようにすると良いでしょう。私の経験では温度低下による現像不足は現像過多より害が大きいです。一方漂白、定着液は温度が仮に5℃下がっても気にする必要はありません充分許容範囲です。安定液は任意の室温で問題ないでしょう。

漂白液は現像停止機能があり酸性ですので発色現像液の液切りが悪い(持ち込みが多い)とガスが発生するために投入蓋が開いたり、漂白液が溢れたりします。このため投入直後の攪拌は要注意です。これを避けるために中間水洗を入れるのも有効です(発色現像時間の切り詰めが必要です。水洗温度は38℃で)。

ちなみに私の計測したこのキットの各液の溶解後のpH値(38℃)は、
発色現像液 pH10.4
漂白液 pH4.1
定着液 pH6.6
でした。なお、pH計の誤差が±0.2程度あります。

私の場合は前浴を省略し、発色現像→漂白→定着→水洗→安定の順で処理しています。このキットでは135-36が10本現像できますが、補充式の現像液ではないために発色現像時間を一定に処理すると1本目と10本目で現像力の差が現れてしまうと思います。これについて説明書には一切記述がありません。同じような現像キット、例えばナニワ カラーキットN(135-36が8本)では2回目を+5秒、3回目をさらに+10秒、4回目をさらに+15秒延長するよう指示しています(38℃時)。私はこれを参考に2回目を+5秒、3回目をさらに+5秒、4回目をさらに+10秒、5回目をさらに+15秒延長で使いました。このあたりは使用者の考え方次第です。

私は38℃処理をしています。温度管理時間が短くて圧倒的に楽なのでそうしていますが、ちょっとしたことで現像ムラが出たりしますのでかなりの慣れが必要です。それを嫌って30℃などの処理をする方もいると思います。説明書には25℃や20℃の処理時間も記載されています。これも使用者の判断になるでしょう。

今回書いた話は大半がカラーフィルム現像の一般論です。このDigibase C41キットについての詳細は英語版マニュアルをご参照ください。

今後数回、このキットを使って現像したフィルムを紹介します。
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