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Minolta Autopak 700というカメラ

以前に撮影したフィルムを紹介しましたが、カメラについては何も語りませんでした。近頃気の迷いで同じ機種をもう一台購入し整備しましたので、その話を含めて書きたいと思います。

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Minolta Autopak 700は1965年に発売されたインスタマチックカートリッジ用のカメラです。Rokkor 38mm 1:2.8はテッサータイプ。連動距離計を持ち、SEIKO製レンズシャッターを採用。オート露出はもちろん、絞りも含めてマニュアル露出も可能な機種です。

ミノルタはこの機種以外にも多くのインスタマチックカメラを製造しましたが、この機種以外はオート露出のみのものや簡素なものばかりですから、唯一の高級機と言っていいでしょう。

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このモデルは機種名刻印が天井側ですが、機種名が正面と天井の2ヶ所に刻印(「700」部分が赤文字)されたモデルも存在します。

手に入れたカメラは、振るとカラカラと音がしました。以前に同じ機種を修理しましたので、すぐにそれがCdS絞り板の脱落である事が推測できました。

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早速分解してみるとやはりこのグレーの板です。劣化した接着剤を除去して規定位置に再接着しました。

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CdSの背面はむき出しですので根元を折らないよう注意が必要です。絞り板はカートリッジのフィルム感度ノッチの検出レバーにバネで接続されて動きます、スムースに作動するよう、取り付けたCdSユニットに擦らない様に調整します。

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CdSのリードに絶縁チューブを被せ、元通りに配線していきます。

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レンズ周りを組み戻していきます。シャッターボタン周辺のリンク、CdSユニットと感度ノッチ検出部とのリンク、レンズ部EV値レバーとのリンクがあります。分解前に充分に観察しておく必要があります。

組み終わると点検です。シャッター周りは問題なし。露出計の針も以前の同じ機種と一致。ファインダー周りを清掃し、整備終了です。

しかし点検していて、既に持っているカメラと挙動が違う事に気付きました。さてどういう事でしょう。比較せねば。

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左が今回の品物。右は以前から所有していたもの。巻き上げの構造が全く異なります。あれまぁ、右のほうが簡素化されているようです。

もうちょっと、よく見てみましょう。

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ボディ番号から、これが前期型と思われる巻き上げ機構。

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こちらは後期型と思われるほう。

同じダイキャストボディに異なる構造の機構が載っています。この大きな仕様変更を決断させたのは何でしょう?オリンピック翌年の1965年は「昭和40年不況」、コストダウンが必要だったのか、前期型に不具合が多数発生したのか、謎が残ります。

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この2つ、使用感が若干異なります。前期型はカートリッジを入れなくても空シャッターが切れますが、後期型はカートリッジを入れてフィルムのパーフォレーションを検知しないと全くシャッターが切れない構造で、最大巻き上げ角が前期型に比べて大きいです。比べるとこんなに違います。

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後期型の背面窓にのみ「WIND FILM TO STOP」と書かれています。これは暗にカートリッジを入れてチャージされないとシャッターが切れないことを示唆しているように思えます。


最後に、同時期に発売されたラピッドシステム用のMinolta 24 Rapidと記念撮影。

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内部構造は全く異なり、流用されたのはファインダー周辺ぐらいです。トップカバーや巻き上げレバーのデザインなどは前年発売の135用AL-Eを踏襲しているようです。程々の明るさのレンズとコンパクトなボディといったコンセプトは後のAL-Fに引き継がれたように思います。
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